全学連(伍代委員長)

戦争とファシズムに突き進む安倍連合政府を打倒しよう! 日帝国家権力解体!
三里塚・市東氏農地強奪阻止決戦へ!
右翼・ファシスト撃滅!反革命革マル・木元グループせん滅!

全日本学生自治会総連合(伍代委員長)

「いじめられている君へ」
―全学連で闘うひとりとして―

2012年8月

 滋賀県大津市の中学校で、一人の少年を死に追いやった「いじめ」の事実が明らかにされたことをきっかけに、全国における「いじめ」の実態が、堰を切ったような勢いで連日メディアにあふれています。私たちは、自分自身の身体が切り刻まれているような口惜しさを感じずにいられません。起こっている事態は資本主義のもとでの「競争と分断」が極限まで押し進められていることの結果であり、現行の教育制度が、一人ひとりの生徒・児童の生と存在に根本的に敵対していることのあらわれです。けれどもいじめられている本人にとっては、「相手との関係」こそが具体的に問題なのであり、この「関係」を突き破ることができない限り、今この瞬間にも「死」の選択を突きつけられている一人ひとりの置かれた状況は何も「解決」を見ないのだということを、私たちは徹底的に重視しなければならないと考えています。

 昨日までは「いじめられる側」だった生徒が次の日からは「いじめる側」に回ったりしているような錯綜した現実が、一見して「いじめ」の問題を「複雑」なものにしているように思われます。けれどもひとつだけハッキリしていることは、「いじめる側」に「いじめ」を正当化できるような理由など絶対に存在しないということであり、「いじめられる側」に「いじめられる理由」があるというような理屈はいかなる意味でも成り立たないということです。いじめる側の人間には彼らなりの理屈や事情があり、そのひとつひとつは資本主義社会から彼(女)ら自身もまた抑圧されていることのあらわれであるかもしれません。が、少なくとも「いじめる側」と「いじめられる側」の関係で考える限り、「いじめ」は「いじめる側」が100%悪いのです。もしも「いじめられる自分にも原因がある」という意識を「あなた」自身が持っていたなら、「そんなことはない」と声を大にして訴えたいと思います。「いじめられる側」がどんな人間であろうとも、「いじめる側」がいじめない限りけっして「いじめ」は起こらないのであって、「いじめの原因」は「あなた」の中にではなく、「いじめる側」の人間たちの中にこそ存在しているはずです。

 「いじめ」の中で24時間365日、苦しい思いを強いられている「あなた」と、少なくとも私自身は本気で結びつきたいと思っています。「死にたい」と思うこともあるかもしれませんがそれだけは待ってほしい。「教室」にいる限りどこにも逃げ場がないように思える痛み、つらさ、苦しさから、緊急避難として「あなた」が学校や教育現場を離れることを、私たちが否定することはできません。そのことの上でやはり、私は「あなた」に対し、闘うこと、立ち向かうことを訴えたいと思います。たった一言の「NO」でもいい。相手が強制してくる関係性に今日からは従わないということを、「いじめるやつら」に突きつけてほしい。とても勇気のいる、力のいることですし、さらにイヤなことがあるかもしれない。でも、どんなに「小さな一歩」であっても、「いじめ」から解放される道はそこから切り開かれていくはずです。

 「長いあいだ虐められてきた兄弟よ」という水平社宣言の呼びかけのもとに結集した戦前の部落青年たちは、相手が軍隊であれ警察であれ、仲間が差別されたときには「徹底的糾弾」に立ちあがり、相手が謝罪するまで実力で闘いぬきました。ヤクザ右翼が日本刀で武装して敵対してくれば、村中の藪を刈払って竹槍を作り、そうやって自分と仲間の命を守りぬきながら、「胸を張って生きること」を闘いとってきました。今この時代、どんな言葉よりも必要なのは一人ひとりがそうした闘いに立ちあがることだと私は思いますし、全学連はそうした闘いの先頭に立たなければならないと思います。「あなた」が胸を張って生きることのできる未来を共に切りひらくために、私たちはどんな弾圧も引き受けて実力で闘いぬく決意です。

 「いじめ」をなくすことは、今ある社会を丸ごと変革することを抜きにしては決して実現しません。「いじめる側」の人間が、自分に襲いかかる矛盾や「息苦しさ」を彼(女)から見た「弱者」へのいじめ・打撃に転化するような、そういった関係のありようそれ自体が問題です。けれどもそのことは、今ある社会が丸ごと変革されない限り「あなた」は「いじめ」から解放されないのだといったようなことを意味するものでは決してありません。むしろ「あなた」ひとりの闘いからこそ「社会総体の変革」も根本的には切り拓かれるのであり、一人ひとりの存在と闘いはそれだけの「かけがえのなさ」を持っていることを私は確信しています。「あなた」が「最初の一歩」を踏み出すため、私たちに力になれることがあれば、全学連に手紙をください。私たちは、「あなたの闘い」と共に全力で闘いぬきたいと思っています。

( 今津 櫂 )

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