全学連(伍代委員長)

戦争とファシズムに突き進む岸田連合政府を打倒しよう! 日帝国家権力解体!
三里塚・市東さん農地強奪阻止決戦へ!
右翼・ファシスト撃滅!反革命革マル・木元グループせん滅!

全日本学生自治会総連合(伍代委員長)

原発被災者集団訴訟「国の責任を認めず」-6.17最高裁判決弾劾

 6月17日、福島第1原子力発電所の事故で被災した人、各地に避難した人が、国と東京電力に損害賠償を求めた4件(福島生業、千葉、群馬、愛媛)の集団訴訟で、最高裁第2小法廷(菅野博之裁判長)は「実際の津波は想定より規模が大きく、仮に国が東京電力に必要な措置を命じていたとしても事故は避けられなかった可能性が高い」と判断し、国の責任は認めないとする判決を言い渡した。

 原発を「国策」として推進し、事故の危険性を予見していた国の責任を認めないなど、到底受け入れられるものではない。事故を居直り、被災者の怒りと責任追及の声を踏みにじるものであり、絶対に許せない。徹底して弾劾する。

 判決は、結果回避可能性の判断にのみ終始しており、津波・事故の予見可能性と対策については判断を示していない。その結果回避可能性についても、国側を一方的に擁護するための判決となっている。津波の規模が試算より大きく、到来した方向も異なるとして、「想定外」だから事故は避けられなかったし、国に責任はないとしている。しかし、本当にそうか。

 国の地震調査研究推進本部が2002年7月に発表した「長期評価」は、福島沖でもマグニチュード8.2程度の大津波を起こす地震が発生しうると、地震学研究の成果をもとに予測していた。これにもとづくと福島第一原発での津波の高さは15.7メートルになり、敷地の高さである10メートルを越える。国と東電は、この予測を知りつつ、防潮堤建設をしなかった。その上で、津波の襲来する方向や規模など想定には当然幅がある。だからこそ、最低限、施設の浸水対策には、防潮堤建設だけではなく、津波の侵入口や経路をふさぐ建物の水密化や非常用予備電源の高台への移設などが必要であった。

 炉心溶融・メルトダウンなどの重大事故が起これば、広範囲に放射能汚染がひろがることは当然にも想定されていた。しかし、経済優先、コスト優先、住民の生存や生活を犠牲にして、これらの対策がされなかった。ここに、国や東電の責任が大きくある。「想定外」で許されていいはずがない。危険とわかりつつ原発政策を推進してきた国に責任があるのは当然のことだ。

低い原発の耐震設計と事故の危険性

 国・政府は「多重防護しているから安全」「重大事故は起こらない」として原発を推進し、福島第1原発爆発事故が起きた。原発の危険性が明らかになったわけだが、最高裁のいうように対策を取っても「想定外」の時は防げないのならば、深刻な被害を出す原発事故を防ぐには、原発の稼動を止めるしかない。

 そもそも原子力規制委員会を含めて国・電力会社の想定は非常に甘い。特に耐震設計において顕著である。耐震設計の目安となる基準地震動について、平均的な揺れを大きく上回る想定があまりにも不十分である。たとえば、大飯3.4号機の基準地震動は856ガル【ガルは加速度の単位】、茨城の東海第2原発は1009ガルとされている。しかし、2000年以降、1000ガル以上の地震は国内で17回発生している。最大は、08年の岩手・宮城内陸地震での4022ガルとなっている。これでは到底対応できない。 また、巨大な地震ではなくても、中規模の地震が繰り返されることによって耐えられなくなることもある。

原発内に張り巡らされた無数の配管、とりわけ圧力容器を支える機器(スタビライザー)などが損傷すると冷却機能の喪失、炉心損傷に直結する。

3.11東日本大地震以降、これまでにない大規模の地震が立て続けに起きている。どの活断層が動くのかわからない。東南海地震も想定されている。そんな状態で原発を動かせるはずがない。巨大地震に遭遇したとき、再び「想定外」として裁判所は国を擁護するのか。

原発を推進してきた最高裁・裁判所

 原発を数十基も稼動させてきたのは、電力会社や政府のみならず、裁判所の責任でもある。「原発安全神話」を追認し、原発という「国策」を推進してきた機関が裁判所にほかならない。その裁判所が再び国を擁護するなど絶対に許せない。改めて、6.17最高裁判決を徹底弾劾する。

 原発被災者・避難者と連帯し、原発の廃炉・再稼動阻止・核廃絶に向けて闘おう。8月、関西電力・美浜原発3号機の再稼動を阻止しよう。

全学連と共に闘おう! 連絡先・連絡方法はこちら               home              22.07記