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【資料】「前手続」－「付した裁判」を粉砕する被告団声明
２０１１年１月２５日 ０９年２・１７組対法裁判傍聴弾圧被告団
Ⅰ．「前手続」も「前手続に付した裁判」も認めず最後まで粉砕しぬきます。
本件２・１７弾圧において、福岡地裁裁判長・林秀文は、私たち被告団が「公判前整理手続」（以下「前手続」）に対し、絶対反対を表明しているにもかかわらず、撤回せず「打ち切り・終了」として「前手続」を強行しました。私たちは「前手続」「前手続に付した裁判」（以下「付した裁判」）－階級裁判粉砕まで闘います。
「前手続」とは、公判前に密室で「事件」の政治的性格や社会的背景をすべて切り捨てたうえで、検察＝国家権力の意のままに「争点」を絞り、即決で投獄・処刑しようというものです。
それは、①検察側にある「立証責任」を被告・弁護側に課すという手口で、「推定無罪」から「はじめに有罪ありき」への大転換を仕かける攻撃です。同時に②"黙秘する者には不利"に、"争う者は長期拘留し重刑にする"ために「黙秘権」や「防御権」も否定し、闘う者への徹底した完黙つぶしと転向強要を仕掛ける攻撃です。さらに③「非協力な被告・弁護側には"証拠制限"などの不利益を与える」のみならず、"黙秘は協力義務違反"と叫び、正面から黙秘の闘いに制裁を加えることを宣言し、暴行や拷問や獄殺などの無限の制裁に道を開く攻撃です。また従って④「前手続に付された裁判」は、被告・弁護側の反証の機会を奪うばかりか、「前手続」のシナリオ通りに「はじめに有罪ありき」に導く「儀式」にほかなりません。こうして事実上"公判闘争をさせない"ことによって、密室・迅速・重罰・処刑を強行するものです。最後に⑤弁護人にも懲戒含みの協力義務を負わせ、刑事弁護の解体と翼賛化をもくろむものです。裁判員制度と一体となった戦時司法への転換攻撃です。裁判員制度は「死刑・虐殺に自ら手を下していく国民」づくりという正体をあらわにしています。戦時徴兵・徴用への動員、戦前治安維持法の体制への道づくりです。
福岡地検と福岡地裁は、この「前手続」を左翼に対する本格的適用として、私たちにかけてきました。私たち被告団の「前手続絶対反対」の闘いの前に、一度も「前手続期日」を開けず、「争点整理」の体裁さえまったくとれぬまま、しかし「前手続」強行のために裁判所が自己完結できる＜刑事訴訟規則２１７条―２３＞をもちだしてきて、一方的に「打ち切り－終了」を宣言しました。そして私たちの闘いから逃れるように、林は本年１月２５日に「結審」しようとしています。私たちは「前手続」と「付した裁判」の反人民的実態を暴露し、いかなる重刑攻撃をも引き受けさらに追撃していくことを宣言します。
「組対法」決戦、「前手続」粉砕の闘いは、迫り来る戦争とファシズムを許さないすべての労働者人民の共通の利害がかかった闘いです。深まる恐慌は、労働者・被差別大衆・人民が「これまで通りには生活ができない」という状況を強いられ、団結して自らの解放のためにブルジョア国家権力との死闘に決起していきます。国家権力はこれを叩きつぶすために、司法改悪を目論んで、「前手続」攻撃や裁判員制度を仕掛けているのです。
国家権力は、福岡地裁のファッショ的訴訟指揮と対決する被告団や傍聴者の闘いが「治安の根幹を揺るがしかねない暴挙」（公安情報誌『治安フォーラム』）となっていると悲鳴をあげ、「鬼畜集団」（同）と憎悪し、その根絶を至上命令としています。私たちへの「前手続」強行も、林個人の判断ではなく、国家権力の意志として貫徹されています。密室裁判粉砕、階級裁判粉砕を闘ってきた意義を拡大し、さらに結審・判決粉砕から戦時司法粉砕まで闘います。
Ⅱ．相次ぐ全員退廷と密室裁判！法廷－監獄を貫く国家暴力！―この「前手続」裁判の実態を暴露・弾劾します
裁判所自らが傍聴を妨害し、その傍聴妨害を「業務」と称して「威力業務妨害」をでっちあげ、自ら告訴し、自ら逮捕状を許可し、自ら裁くということがどうして許されるでしょうか。その手口たるや、傍聴希望者には誰にも知らせない「立入り禁止」区域に立ち入ったというものです。
私たちは「付した裁判」そのものを認めない闘いをくりひろげてきました。「付した裁判」で、林は全ての期日で「黙秘権の告知」は一度もやらなかったばかりか、毎回の被告全員退廷と傍聴人多数の退廷を強行しています。その退廷攻撃は、殴る・蹴る・引き倒すなどの暴行が多数の刑務官らによって強行されました。しかも、こうした「被告のいない法廷」にもかかわらず、裁判所職員である証人を「被告から防衛する」と言ってビデオリンクと衝立を使って囲み、権力に有利な証言を引き出してきた裁判です。
第一回公判では、林は「開廷」も告げずに「人定」をでっちあげました。あらかじめボードを用意し、表に「全員退廷」、裏に「①」と書き、ボードで刑務官と廷吏、警察機動隊よる暴力的退廷を指示しました。特定の傍聴人を狙って「監置５日」と「以降の裁判の傍聴禁止」が決定されました。女性の胸を触った警察官は、女性の抗議に対して「触って何が悪い」と居直りました。
第２回公判では、「傍聴したいなら車イスからおりろ」という車イス「障害者」への差別排除を糾弾したことに対する被告・傍聴人全員退廷。刑務官は退廷させた被告を廊下で引き倒し膝落としで頭部を攻撃し、腕の骨を折ろうとしました。
第３回公判では、少年被告の分断・孤立をねらった着席位置に対する抗議と要求を口実に、傍聴人入廷前に被告全員退廷。第４回、第５回では、「前手続」に付せば「必要的弁護事案」となるにもかかわらず、一部国選弁護人が不在の中でも審理入りしました。被告人一人一人に国選弁護人が付けられ「付した裁判」ではです。更に、第５回公判で林は、拘置所刑務官に「被告が勝手に立ち上がったり、勝手に意見を言ったりするような場合は、刑務官の方は、自ら包括的に判断して退廷させてください」と退廷命令なしでの退廷攻撃を宣言しました。以後の公判でも被告への暴力的退廷を激化させています。傍聴人には「帽子・マスクをはずせ」と難癖をつけて退廷攻撃をくりかえしています。
しかし、私たちは、「拘置番号により郵送された文書は受理しない」という黙秘つぶしの林裁判長の攻撃を打ち砕いて、裁判官を忌避弾劾しました。密室法廷の「威信」を地に落とす実力弾劾も叩きつけてきました。闘う「障害者」や労働者の怒りあふれる傍聴闘争は、支援者ではない一般傍聴者や一言も発していない傍聴者も丸ごと退廷にするという林の動揺と反動をひきだしました。崖っぷちの裁判長林は、さらに「密室・即決」の「制裁裁判」で「監置１５日」と更なる弾圧を行いましたが、私たちは怒りも新たに、裁判官忌避を叩きつけ、被告全員退廷攻撃と徹底対決してきました。
そして２０１０年１２月１３日には、第５回公判での私たちの「前手続」－「付した裁判」への抗議に対して福岡県警は「器物損壊」をでっちあげ、２ヶ月もたって新たな報復弾圧を仕掛けてきました。絶対に許せません。
こうして、法廷を戦場とした闘いに検察も裁判所もたまらずに、予定した検察側証人も撤回し、早々に結審へ逃亡を画策してきたのです。
ただただ裁判長と国家権力による強権と暴力によってのみ「前手続」や「付した裁判」が「維持」されています。密室裁判でさらけだした林の強権的訴訟指揮のすべてが「前手続」の反労働者性・反人民性の実態なのであり、私たちは血を流してでも団結して闘い、これらを暴いてきた勝利感に満ちています。
Ⅲ．「前手続」、裁判員制度粉砕！戦時司法への転換粉砕へ、共に闘いましょう
林は、０９年１０月、"求釈明や意見陳述は認める、証拠採用は柔軟に対応する、が「前手続」に付した以上自ずと制限はある"という妥協案を出してきました。撤回しないことを前提にして、私たちに「前手続」を受け入れさせようと画策したのです。私選弁護人は、被告の意を受け総辞任せざるをえませんでした。私たちは、この懐柔策を拒否し絶対反対闘うことを宣言しました（０９年１２月）。
「前手続」は被告を「裁判の当事者」とは認めず排除し、弁護士を権力の下に取り込み翼賛化していくものです。私たちは、福岡のすべての弁護士に"「前手続」への協力を拒否しよう"と呼びかけ、国選弁護人を受任しないよう要請しました。しかし林は国選弁護人を選任し、「前手続」と「付した裁判」を強行し「密室裁判」への協力を強制しています。国選弁護人「前手続」や「付した公判」の強行に加担しています。彼らは「前手続」強行に口では反対をいいながら、その実、被告団の絶対反対の闘いに敵対し、階級裁判に加担しています。
階級支配の危機が深まる中で、国家権力は戦時司法・ファシズム司法への転換攻撃を強めています。「死刑のベルトコンベアー化」をもくろむ支配階級と官僚機構は、「迅速な裁判への協力」を「国民の義務」とし、「前手続」を拒否する被告団に対して、"すべての不利益は被告に""黙秘して闘うものには重刑を"と号令をかけ、早々に「結審・判決」に逃げ込もうとしています。
「障害者」差別排除に熱中し、「身なりの悪い者」と労働者を蔑視・敵視した司法権力。長期拘留と接見禁止を執行し続け、「強制給食」をはじめとした獄殺テロを指令する国家権力。それらすべてが、この「前手続」と密室裁判において凝縮してきたことを見すえ、階級的報復を貫徹します。
「前手続」絶対粉砕、裁判員制度粉砕、死刑攻撃粉砕。危機の時代こそ「労働者に国境なし」を高く掲げ、戦争とファシズムを粉砕しよう。司法改悪を粉砕し、福岡地裁を包囲しよう。共に勝利しましょう。